石田修一さんの「心をひとつに響かせる!~市立柏高校吹奏楽部~」を読みました。
本当に素晴らしい教育者ですよね。少しだけ紹介させていただきます。
■笑顔とあいさつ
笑顔であいさつをするのは人として生きていくうえでの基本です。きちんとした爽
やかなあいさつをされると、された方も気持ちがよくなります。
生徒たちを見ていて気がついたのですが、あいさつがきちんとできている子は、人
間関係もうまくこなせます。トラブルになりにくい。他人に言葉を発することで集団
のなかの自分のポジションをつかむことができるため、心が安定していくのです。逆
にあいさつができない子は、精神的に不安定な部分があります。
(略)
子どもは、赤ちゃんのときにいっぱいあやしてあげることです。
赤ちゃんのときに親が愛情をもっていっぱい笑わせてあげた子どもは、高校生にな
っても自然に笑顔がちゃんとできています。子どもたちを見てきた経験から「笑うと
いうことは学んで覚える」と言うことを知りました。
笑いは、本来幼児期に親が子どもに教える行為です。
笑うという行為は、人間以外のほかの動物にはできません。笑うということも親が
子に教えてやらないとできない、と思っています。ですから、うちの吹奏楽部では、
笑顔がちゃんとできていない生徒には、まず笑うことから教えています。
長い間教師をしていた経験からわかるのは、よく笑っている子は、そのまま幸せに
育っていることが多いということです。どんな境遇になっても、感謝の気持ちを持っ
て笑顔いられるということが、その子の幸せにつながっている。
音楽で感動させる、何かを伝えるという仕事をしていると、やはり笑顔が大切に要
素の一つで、必要なことだと気付きます。
演じている人が楽しくなければ、聴く人が楽しくなれるはずがないのです。人のた
めに笑うのではなく、感謝の心をもって皆のために笑う。その笑顔がそのまま返っ
てくるということをわかって欲しい。そういうことをいつも生徒たちに伝えていま
す。
笑顔とあいさつは、よく基本と言いますが、大事なんですよね。
笑っている子の周りに、自然と人が集まってきますよね。
■先輩の先生方がやっていたこと
一言で言うと、みな決して「生徒たちの先頭に立ってはいない」ということです。
みなさん、ことあるごとに子供たちにご自分の生活信条をこんこんと話されていま
した。たとえば、「今日こんなことがあった。私はこれはとてもいいと思ったけど、
あれはよくないと思う。さて、君らはどう思うかな。みんなで話し合ってごらん」な
どというように、日常生活のさまざまな場面で、日々子供たちに「投げかけ」をされ
ていたのです。
そうして、生徒たちに「考えるきっかけ」を与えていらっしゃった。
そこが金賞をとっていた先生方に共通していた行動です。
(略)
生徒たちに上から目線で、「ああしろ、こうしろ」という指導には限界があること
に、ある時私も気付きました。銀賞しかとれなくて全国行脚をしたときに、先輩の先
生方はみな生徒たちに小さな「投げかけ」を毎日のようにされていました。生徒たち
で自分から考えさせていく指導をされていたのです。
ですから、生徒たちに冷静に「自分たちをまず分析しろ」とよく言います。なるべ
く生徒たちには自分たちで弱点を考えさせて、自主的にその弱点を克服させるように
持っていくのです。
生徒たち自身でといっても、自主的と放任はちがいます。
「ここまできたら、道を誤りそうだけど一度失敗をさせて自分たちで解決策を考えさせよう」
生徒たちの様子を見つめながら、そう判断するときもありますし、またあるときは、
「このままいくと取り返しのつかない失をしそうだな」
と思ったら、その直前で適切なアドバイスを入れるようにします。
生徒たちだけでこのような判断ができるのなら、教師なんて必要ないのです。生徒
たちを見つめて、ぎりぎりのところで安全に舵を取っていく判断を教師は求められま
す。
本当にこの先生の言葉や観察力はすごいなぁ~と思います。今、我が子の同じくらいの後輩と一緒に仕事をしておりますが、日々悩んでいます。言い過ぎるとパワハラになりますし、かといって、スピード感はないし・・・。日々苦悩です。
今、大事な経験をさせていただいております。
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