武田綾乃さんの「響け!ユーファニアム~北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編~」を読みました。4月からNHKで放映決定とのことで、楽しみにしています。
印象に残った文章を紹介させてもらいます。
■部長として
去年の部長、吉川優子は何かと上手くやっていた。小さな不満の種を潰し、カリスマ性で他者を導く。反乱の芽を早めに摘み取らねばならない。部をまとめるというのは、そういうことなのだ。
どの組織も、不満のタネは小さいうちに摘み取らないと全体に拡大にしていきますよ
ね。本当にそう思います。
■選考基準
黄前:チューバの選考基準ってなんだったんでしょう?どうして初心者の釜屋すずめ
さんがAで、二年生の鈴木さつきさんがB何だろうって、単純に不思議で。
先生:アンサンブルコンテストの時、北宇治の代表チームは部員投票で決めましたよ
ね。そのとき、黄前さんは何を基準にクラリネット四重奏に決めましたか?
黄前:それは…やっぱり、完成度ですかね。全体の。ほかのグループも上手い子はた
くさんいましたけど、クラの子たちは音の全体像をよく見ていたというか…ど
こで引いてどこで出るか、自分の役割を理解して、音楽を作り上げているよう
に思ったので
先生:私もそれと同じです。オーディションでは当然、一人ひとりの能力を見極める
ところから始まります。ただ、それだけでなく、全体の音楽バランスを考えて
編成を組む必要があります。いくら飛び抜けて上手な子が多かったとしても、
トランペットパートを30人にする団体はいないでしょう?
黄前:全体のバランスを見たときに、釜屋すずめさんのほうがいいと思ったってこと
ですか?
先生:端的に言えばそうなりますね。彼女は確かに鈴木さんと比べてつたないところ
ありますが、とにかく音が素晴らしい。美しさをキープしたまま大きな音を出
せるのが彼女の強みです。音域が狭いのは今後の課題ですが、今回の課題曲、
自由曲で黄音域が必要な箇所はPなので、そこは吹かないでもらえればいいわ
けですし
黄前:でも、演奏って音調が全てじゃないと思うんですが。技術的な面もありますし
先生:ですが人数に上限がある以上、音量は相当に大事ですよ。土台となるチューバ
となれば、とくに後藤君がいなくなって今年はチューバを四人にしなければな
らないかと悩んでましたが、彼女のおかげでなんとか形になりそうです。超絶
技巧だけが奏者の能力を示すものではないと私は考えていますよ。奏者側には
納得しづらい判断かもしれませんが
人数制限のあるなかで、どうすればより良い音楽を奏でることが出来るのか。本当に
辛い決断ですよね。先生の説明責任もあると思います。小さな音だが上手い先輩と大き
なきれいな音が出る後輩、どちらを取るか。
そのような視点で会社を見てみるとは、全体最適出来てないですわ。所詮人が判断す
るので、仲良しグループを引き揚げる人、仕事は出来るが自分中心の人、仕事はしない
が文句はしっかり言う人など、いろんな人がいますね。
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