真山仁さんの「失敗する自由が超越を生む~粒子物理学者 古澤明の頭の中~」を読
みました。凄く勉強になりました。少しだけ紹介したいと思います。
日本が世界と競っているスーパーコンピューターは、とてつもなく電気を消費しま
す。スパコン一機当たり、百万キロワットの原発一基分が必要になる。古典コンピュ
ーターを猛烈に作動させると、心臓部が加熱される。そのまま放置しておくと、コア
は溶けてしまい、使い物にならなくなる。そのため、常時コアを冷やす必要がありま
す。それに膨大な電力を消費するんです
AIを中心としたIT化がどんどん進化すれば、スパコンの需要は、さらに高まる。結
果として地球温暖化が加速します。
極端に言えば、スパコンは地球を滅ぼす。その現実を我々は正視しなければなりません。
■量子コンピューター
量子コンピューターに何が出来るかが大事ではなくて、現在の快適かつ豊かな生活
を維持して、さらにもっと発展させたいと願うならスパコンを捨てて、量子コンピュ
ーターに替えるしかない。
古澤が取り組んでいる研究こそが、地球を温暖化から救う最大の鍵になる――。
いよいよ量子コンピュータ部門で、日本を開くしかないんでしょうね。
■失敗の経験
「失敗の経験がないっていうのは恐ろしい。ものすごく守りに入っちゃって。ちょっ
とでもリスクのあることは絶対にやろうとしない。」
これは研究分野だけでの問題ではない。
バブル経済崩壊以降、日本の企業の大半は失敗に懲りたことを理由に、「失敗を許
さない」体質になった。だが、これは大間違いだ。そもそもバブル経済が崩壊したの
は、「経営に失敗した」せいでない。
このままでは、経営危機になると分かっていたのに、それが明らかになるのを恐れ
て隠蔽した結果、自滅したのだ。あるいは、リスクを承知で挑み、失敗することもあ
るが、時に大成功を収めるような社員を排除し、リスクを取らないから目立つ失敗も
ない社員が出生レースに残り、役員になっていくという愚行を繰り返したからだ。
「失敗の意味や面白さは、いろんなものにチェレンジするフットワークの軽ささえあ
れば、自ずとわかるようになります。分からないという人は、フットワークが重いか
らではないでしょうか。
だから、チェレンジが足りていない。自分にとっての最適なチェレンジの道を見つけ
れていないのでしょう。
好きこそものの上手なれなので、好きなことをやるのが、挑戦の大前提です。下手
の横好きということばもありますが、本人が楽しくて好きなら全然問題ないと思いま
す。
人はみな、アイデンティティーを生かせる道を探しているわけですが、そのために
は、フットワークを軽く、とにかくチャレンジしてみることです。そうすれば、取捨
選択ができるようになって、路は絞られていく。」
失敗を許さない。結果、動かない、挑戦しない人が多くなってますね。
幹部に上がっていく人は、うまく立ち待っている人たちが多いですね。