平城弘通さんの「日米秘密情報機関」を読みました。これは、テレビのTBS日曜劇場で「VIVANT」に出てくる「別班」という組織が本当にあるのかと興味を持ったのがきっかけです。
少し紹介したいと思います。
■別班
「ムサシ機関」とは、陸幕第二部別班、通称「別班」のことを指す。昭和47年~48年ごろ、共産党の機関紙「赤旗」によって、秘密謀略組織「影の軍隊」であること大きく宣伝され、国会でも追及を受けた組織だ。昭和48年(1973)に金大中拉致事件が起きた時には、これも「別班」の仕事ではないかということで、また騒がれた。
政府は「そんな組織は存在せぬ」と国会答弁で突っぱね、その存在は公式には秘密のベールに包まれ、今日まで来た。
共産党が国会質問をしていたんですね。びっくりです。でも、害がないので、そのような機関がないとあかんような気がすると思いますが、市民を監視する組織でもあるので、要注意なんでしょうね。
■はじまり
昭和29年頃、在日米軍の大規模撤退後の情報収集に危機感を覚えた米極東軍司令官ハル大将が、吉田茂首相に書簡を出した。その中で、在日米軍の削減に伴う日米共同防衛作戦の必要性、自衛隊による秘密情報工作員育成の必要性を提案した。そのためには、まず相互の情報活動の合意が必要であると言うことを基礎とし、折衝が重ねられた結果、陸幕二部と米陸軍第八軍G2との間に軍事情報スペシャリスト訓練(Military Intelligence Specialist Training/MIST)に関する協定が結ばれた。
MIST協定は日米合同防衛協定に伴う細部交渉の第一段階(昭和29年夏から昭和29年末)と、米軍の指導による情報訓練および工作実施段階(昭和30年1月~昭和36年6月)に区分される。
米軍の在日米軍の削減が目的で始まったんですね。そういえば、いろいろな国であるんでしょうね。いつまでも在日と言うことは言えないですよね。
■情報勤務者の資質
私は情報勤務者、とくに謀報に従事する者は、一言でいえば、任務遂行と秘密保持のためには生命もいらぬ、名誉もいらぬ、金もいらぬという心情が必須であると考えており、自分自身もそれを実施し、部下にも要求してきた。
日露戦争の最中、ラマ僧に変装して東清鉄道の爆破を図り、スパイとして処刑された沖禎介・横川省三両志士の秘話をよく例にあげたものだ。
実際、情報勤務者の仕事は孤独な、忍耐の要する仕事である。自衛官の身分を隠し、私服で偽装活動をやっているわけだから、家族にも打ち明けることができない。家族にも非常な迷惑がかかる。経済的なことをいえば、請求できないような金も使わなければならない場合もある。しかも、硬く秘密は守らなければならない。
また、上司や監督者の目の届かないところで活動するので、その経費の実態は自己申告する以外にない。それが浪費か不正使用かは、そのレポートを見て上司が判断するが、秘密工作員は特殊で困難な仕事なのに報われることが少ないと感ずる者や、速く表に出て普通の自衛官に戻りたいという者もいる。
情報勤務者は、なかなか厳しい職種なんですね。自分に厳しくないとやってられないですよね。女や金に弱かったらハニートラップで一発退場なんでしょうね。
この本ですが、中古でも6500円と高価になっています。びっくりです。
この書籍は、平城さんの人生そのものですけど、淡々と書かれています。
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