原田マハさんの「本日は、お日柄もよく」を読みました。前WBC監督の栗山英樹さんの本に紹介されていたので、思わず読んでしまいましたが、熱い言葉で、涙なみだでした。心にささった文章を少しだけ紹介したいとおもいます。
■スピーチライター
スピーチライターは、自分がスピーチをするわけじゃないから、スピーチをする人
(つまり依頼主)の話を徹底的に聞かなければならない。その人の声の調子、話し
方、話す速度など、身体的な印象をまずつかむ。同時に、何を考えているのか、どん
なことを訴えたいのか、目指しているものは何か、その人の哲学、生き方、ポリシー
を共有する。著名な政治家や企業のCEOのスピーチライターは、影のように寄り添
って、その人のすべてを知り尽くすそうだ。
スピーチライタという職業があるんですね。実に面白いです。うちの会社もあるんで
しょうか?
まぁ、社長を生でみることがあまりないです。ビデオレターはあるんですが、カンペ
がありそうです。
■スピーチ
「しずか・・・。スピーチの原稿を始めるとき、そしてスピーチを始めるとき、心に
この文字を浮かべる。それが基本です。」
まず、心を平静にして、思い浮かべる。このスピーチの目指すところはどこにある
のか。
それは、スピーチをする場や状況によってさまざまだ。披露宴のときは、新郎新婦
を祝って。弔辞ならば、故人を偲び、遺族を思いやって、国会の演説ならば、国民全
体の気持ちを代弁しなければならない。選挙運動ならば、聴衆を鼓舞しなければ。
それから、スピーチに向かうとき、必要以上に力を入れたり、威勢を張ったりする
必要はない。人前に出るのだから、無理に目立つ必要はない。力を抜き、心静かに平
常心で臨む。
そして、壇上に上がって、まず5秒待つ。会場が静かになるのを。5秒で無理なら10
秒。それでもだめなら15秒。15秒というのは、けっこう長い。たいてい、聴衆は15秒
以内に静まる。だから、壇上に上がってすぐに始めずに、5秒間隔で静かになるのを
まつ。
スピーチの導入部も、あくまで静かに始める。始め方はさまざまだが、「ただいま
ご紹介にあずかりました」とか「ひとことお祝いをのべさせていただきます」のよう
な、無駄な枕詞は極力避ける。いきなりエピソードから初めてもよい。結論を先に言
ってしまってもいい。とにかく、最初のフレーズがどんなふうに聴衆の耳に届くか。
それでそのスピーチの印象が決まる。聴衆を煽る激しい言葉や、あまりにも力強いフ
レーズは避ける。あくまでも、静かに、けれど心打つ入り口を作る。
心打つスピーチはなかなかないですよね。こんな指南書あるんですね。
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