よし🅾️のやってみよ😰

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レインメーカー

 真山仁さんの「レインメーカー」を読みました。毎回楽しく拝読しております。
 タイトルのレインメーカーは、アメリカの法曹界で訴訟で大儲けする弁護士のことをいうらしいです。勉強になります。
 
 予防接種法改正による問題・ファンドによる病院のM&Aの問題・医療事故による裁判問題などがテーマになっており、知らないことばかりでした。
 また、城の話も出てきて、一見関係なさそうです裁判と城の攻略方法をマッチングされて実に面白かったです。少しだけ印象に残った文章を紹介させていただきます。
 
◆予防接種と母子健康手帳

 1992年に起こされた「予防接種被害東京集団訴訟」で、種痘などの予防接種によって死亡したり、心身に障害が出た患者遺族らの訴えが認められた。当時の厚生省は、予防接種法を改正し、それまで義務だった予防接種が努力義務に改められた。

 法律上の努力義務とは、「予防接種を受けるよう努めなければならない」と言うことだ。つまり、受けなくてもいい、とも取れる。

 

<略>

 

 たとえ意識があっても自分で症状を説明できない乳幼児の急患は、搬送直後の判断が勝負だ。
 予防接種が義務化されていた時代であれば、定期予防接種の対象疾病に罹患した見込みは小さく、別の疾病に見当をつけやすいが、努力義務によって、それが有効でなくなった。
 代わりに重要になるのが、母子健康手帳だ。
 出産した病院などの記録と共に予防接種の一覧があり、接種の記録が記されている。

 

<略>

 

 日本は、せめて子どもの医療情報だけでも、迅速にスマート化すべきではないか。個人情報という壁はあるが、救急時に限定するなど利用制限を厳しく設けたら、一人一人の健康情報を共有することに、反対する国民は少ないのではないだろうか。そのために今、堀江は夢中になって事例を調査している。

 幼児はしゃべれないから、母子健康手帳が大事なんですね。
 
 
◆病院のM&A
 地方での病院経営が、年々深刻になっている。人口5万人以上の市町村でも、市民病院が閉鎖されたり、産婦人科や小児科の救急対応が出来ない県が生まれ始めてきた。原因は、慢性的な医師不足と、経営難だ。
 そして、近年、優良な病院の買収が増えてきたという。従来の経営破綻した病院を安く買い叩くような買収ではなく、充分利益が出ている病院が、投資ファンドのターゲットとなってきたというのだ。

 なるほど~

 

 

◆城攻め

 城攻めにおいては、武力だけではなく、心理戦も重要だ。だから知将は、いかに敵側の武将を寝返らせられるかに知恵を絞る。
 それを「調略」というのだが、陰謀好きの雨森には、この策謀が堪らない。「調略」は、裏切りを誘発する行為のみならず、敵の城下町の民を味方に引き込んだり、偽の情報を相手に与えて混乱させたりと、現代の諜報戦に近い。
 たとえ城が何人も寄せ付けぬ堅牢さを誇ろうとも、人を切り崩せば、あっけなく落ちる。

 

<略>

 

 政治になんて、全く興味がない。政治家はそういう方が向いているのです。本気で世の中を変えるとか、県民のために必死に情熱を注ぐようなタイプは、長続きしません。

 そこは微妙です。信玄は、高天神城を落とすことにはパッションガがなかったようです。一方の勝頼は多くの武将を犠牲にして奪ったんです。彼は加減とかできなくて、何でも120%力を振り絞ってぶつかる。武将の器としては小さいですね。
 日本でも何でも一生懸命を尊ぶけど、本当は無理する価値のないものは、いなすぐらいの余裕が重要なんだよ。それと、やっぱり調略だよ。

 

民兵などの犠牲を多く出しても国を守るのか否か。大事な視点ですね。