垣谷美雨さんの「墓じまいラプソディ」を楽しんで読みました。いつもながら、男性
には手厳しい、耳の痛いことがたくさん書かれており、いろいろ考えさせられます。
ありがたい本です。耳の痛いところを少し紹介させていただきます。
■一緒の墓に入る?入らない?
横暴じゃなくても嫌なのよ。女は自由が欲しいの。良妻賢母の役から逃れて本来の
自分に戻りたかったのよ。言い方は悪いけど、お父さんが死ぬのを今か今かと待って
たのよ。そしたら、自分の方が余命宣告されちゃってさ、まったく可哀そうに
夫の面倒をずっと見てきて、その上夫方の先祖に押し込められるって、嫌ですよね。
なんかしみじみそう思いました。私は50代でそんなこと考えもしなかったけど、最後は
奥さんの意思に委ねていいのかもしれないですね。
■墓じまいにかかる諸費用
きちんと墓じまいをしようと思ったら、大金が要るらしい。魂抜きには、お布施と
お車代がかかるし、墓を解体して撤去するには産廃業者を呼ぶ必要があり、そこから
遺骨を取り出して更地にする費用、そして遺骨を合肥する費用などがかかる。それを
払いたくなければ、管理料を滞納して催促にも応じない。そうすれば、一年くらいで
無縁仏と認定されるらしい。
今の墓から「魂抜き」、新しい墓で「魂入れ」って、もう死んでいるのにって思って
しまいます。お金儲けの手段しかないですよね。お寺御用立の運搬会社や産廃業者に頼
まなあかんのきたら、お金のにおいがプンプンしますよね。
■夫婦の苗字について
この国では男女どちらかが苗字を奪わなければ結婚できない制度になっています。
そういうのは今や地球上で日本だけなんです。言い換えますと、妻と夫がお互いに対
等なままでは結婚できないってことなんですよ。世界標準から何十年も遅れていて、
そのことを恥ずかしいと思う日本人男性も昨今は増えてきたように思います。
<略>
私は長年イギリスに住んでおりました。向こうでは苗字が自由に選べるんです。そ
れどころか創作することもできるんですよ。そのうえ18歳になったら自分の苗字も下
の名前も変えることもできます。そんな自由な制度の国でも、生活するうえで何の支
障もないようでした。
苗字の選択って、男のこだわりなんだろうか。名前を変えると各種手続きがものすご
く面倒なことと思う。デジタル化の時代だからこそ、簡単に紐づけられると思うし、今
後は、自由な選択できてもいいのではないかと思う。
■墓について
お墓なんてどうでもいいんです。ですが、法律を遵守しないと、残された家族に迷惑
をかけますから、散骨でも樹木葬でも永代供養での共同墓地でも松尾家の墓でも、と
にかく簡単でカネのかからない方法であれば何でもいいです。
心の叫びですよね。お金がかからないように、子供らに迷惑がかからないようにした
いというのが、親の、今後の世代の生き方になっていくのではないでしょうか。
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