久しぶりに池井戸潤さんの本を読みたくなりまして、「かばん屋の相続」を読みました。スッキリする作品かと思ったんですが、策士の経営者、銀行マンの葛藤等のいろいろある6作品の短編集でした。知らなかった言葉を紹介したいともいます。
■裸
銀行で「裸」といえば担保のない信用での貸し出しのことをいう。つまり、倒産したときの損失としてみこまれ金額のことだ。
■雑金
白水銀行では、信金のことを雑金て呼ぶんだよ。あの会社には雑金入っているってな。
なる~~~。
■経営者として、出口を用意すること
いままでの25年間、がむしゃらに働いてきた。でも、いま私がこの会社を畳もうとしても資産の全てを売り尽くしてなお借金の半分も消えない。やめるのにやめられず、かといって継続することもできない。出口のない迷路を永遠に彷徨っている気分だよ。
<略>
すまないね、こんな話をして。別にあきらめるわけじゃないから安心してくれ。ただね、会社を経営するんだったら、常に出口を用意しておくことが必要だったことにもっと早く気づくべきだった。こんな風になってしまう前に。そういう意味で私はダメな経営者だ。
大風呂敷は誰でもできますが、どんな出口戦略を考えて進むかということ。でも、がむしゃらに走っているときってわからないかもしれないですね。そんな相談役が銀行マンかもしれないですけどね。
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