額賀澪さんの「タスキメシ~五輪~」を読みました。仙波千早さんが就職した食品会社で、食堂運営部門に配属され、オリンピック選手村の食堂運営を受託。奮闘する物語。おなじみの眞家兄弟、眞家兄の仲間たちのストーリーのしっかり描かれています。
転職の魔王様を手掛けておられる額賀さんですが、勉強になったところを少しだけ紹介するとともに相関図も載せておきます。

※相関図は、大まかに記載しています。間違っていたらごめんなさい。
■職場の夢見たら……
阿久津:この3ヶ月、しょっちゅう夢を見るんだ。選手村がオープンして関係者が続々入村しているのに、食堂がオープンできない夢。食材が届かなくて、選手に何も提供できない夢。選手達が困り果てて怒っている夢。食堂で食中毒が出たり、コロナのクラスターが発生して、オリンピックどころじゃなくなる夢。この手の悪夢を見るようになったら、仙波もプロジェクトメンバーとして一人前だ。
会社の夢見たら一人前ですかね。
できることなら、見ない方がうれしいですが、どうしたらこの難局を乗り越えられるか、人より考えて、ディスカッションして、また、考えて、考え抜くしかないのかも知れませんね。
■IOCと組織委員会からの指摘
「ピザはイタリア人が喜ぶ本物にしてくれ?」とか「テイクアウトの導入は不可能か?」とか「感染リスクを下げるために利用時間をもっと削減する工夫はないか?」とか「ハラル食材の取り扱いは適切か?」とか、とにかくいろいろある
仙波よ、仕事とはほとんどがそういうものだ。お仕事モノのドラマみたいに、とんでもない要求をされて、仲間と徹夜で「うおおおおーっ!」と雄叫びを上げながら取り組むような派手なドラマチックなトラブルってのは、なかなかないんだよ。あったら逆に楽だよ。これを乗り越えればゴールだって、アドレナリンが出まくり、でも、対外はちまちました面倒で地味な仕事だ。そういう仕事の積み重ねが、社会を作ってるわけさ
上司や取引先からの地味な手直しがほとんどですよね。
毎回言うこと違う、自分で決められない上司などに当たると最低ですよね。
決まるモノも決まらないですし、
方針転換なんかあったもんなら卓袱台返しですもんね。。
■仕事とは
阿:無責任に偉い人をやるだけなら楽さ。責任を果たそうとしたら大変なんだ。仙波 よく覚えとけ
仙:巻き込まれた上にパンデミックが起きたり大会が延期されたり、踏んだり蹴ったりじゃないですか。阿久津さんのモチベーションというか、その熱量と責任感はどこから来るのかなっと思って。
自分はスポーツをやって来たから、余計にそう思う。好きで、この世界で何かを為したいと思ったから、耐えられる。苦しさや辛さや面倒臭さを乗り越えることができる。
一生携わっていく仕事をそんな風に選べたらいいのかもしれないが、多くの人にとって、仕事はそういうものではない。
阿:俺が食堂運営部門にいるときに東京オリンピックが開催された。俺が選手村食堂プロジェクトの責任者を任された。任された仕事の中に使命感や尊さを見出しながら働いている。それだけだ。だからオリンピックにも思うことはいろいろあるが、全力でやる。自分で選び取ったものじゃなくても、そこにやり甲斐を見つけて、やり遂げる。陸上を選んで、箱根まで走ったお前にはピンとこないかもしれないが、こういう生き方だってあるのさ。
確かに箱根駅伝を走ったけれど、走りで生きて行けるほどの人間ではなかった。そういう選手は大量にいて、そのほとんどは陸上と関係ない仕事を生きて行く。
陸上の神様に選ばれなかったから、選ばれなかった者として、違う場所で生きていく。
プロになる人は一握りだし、夢に向かって諦めないことも大事だけど、自分を知ることも大事ですよね。
自分に才能がある人と信じ切れる人は高みを目指せばいいし、無理と思えば違う道を選ぶのもいいのではと思う。
人のアドバイスもいいけど、自分で決めることが一番大事だとこの本で学びました。
■献立
一、祈る者
①冷凍野菜とベーコンの味噌汁~仙波千早~10頁~
②アスパラとアサリの春たっぷりピザ~井坂都~36頁
③蜂蜜レモン~仙波千早~58頁
④鶴亀印の焼き餃子~井坂都~85頁
⑤被災地の桃~仙波千早~115頁
二、選ぶ者
⑥鯛の昆布締めちらし寿司~眞家春馬~154頁
⑦レバニラ炒めとスイカ ~藤宮藤一郎~181頁
⑧焼きたてご飯に醤油をぶっかけて~眞家春馬~208頁
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