阿川佐和子さんの「正義のセ❹~負けっぱなしで終わるもんか!~」を読みました。
武村凛々子さんが主任検事官でまでに物語で4巻で終わってますね。
勉強になった言葉がありますので少し紹介します。
■関西人
なんでこっちの人たちは、会話にいちいちオチを求めるのだろう。普通の話をして
いる時でさえ、「オチがない。その話」とすぐに突っ込んでくる。最初の頃は、関西
流社交辞令の一つと思って聞き流していたが、こう毎回、オチを要求されると少々辟
易する。別に吉本に修行に来たわけではない。
エスカレーターの追い越しラインは東京都反対の左だし、それを忘れて左側に立っ
ていると、「ほら、ねえちゃん。邪魔やで」と大きな声ですぐに文句をつけられる。
そのくせ電車待ちの列を守らない人の多いこと。ドアが開いたとたん、右から左から
後ろから、どんどん凛々子を抜いていく。どうやらこの街で横入りは悪いことではな
いらしい。
もっとも関西人の人なつこさには感心することもある。歩道や電車のホームなどで
ちょっと立ち止まっているだけで、「どないしたん? 道わからんの?」と見知らぬ
おばちゃんが声をかけてくれる。この半年でそういうことが3回もあった。東京では
考えられない。こちらが尋ねない限り、見て見ぬふりで通り過ぎていく人のほうが圧
倒的に多い。関西では知らない人も皆、親戚みたいに思っているのだろうか。その親
切心には何度も助けられた。が、困るのは、そのときにちょくちょく要らぬおまけが
つくことだ
「はい、あめちゃん」
これがかの有名な大阪おばちゃんの「あめちゃん」か。初めてホンモノに出会った
っときは感動したが、毎回となると、この押しつけがましいところがちょっと苦手
と、凛々子は思う。
そして何より馴染まないのが、関西弁である。言葉は嫌いなわけではないが、その
ストレートな言い方に、凛々子はいつもビクっとする。凛々子も東京の下町だから率
直な物言いには慣れているつもりだったが、この率直さはその比ではない。しょど親
しいわけでもないのに、なんでもかんでもズケズケ聞いてくる。アンタいくつ? 結
婚してはんの? つきおうてる男いないん? あらいべっぴんさんやのに、もったい
ないなあ。そのあたりまではまだいいが、そのうちに、あかん、絶対に、女は結婚し
て子どももたな、幸せになれへん、と人生を自信満々に決めてかかる。なっと返答し
ていいものか、凛々子はまじめに考える。
私も大阪に住んでますが、面白そうな話をしゃべりだしたら、オチをもとめてしまう
かなと。でも、なんでもオチが必要かと言われれば、そうではないな~とおもうけどな
■吉川腺
刺殺されそうになったら、誰だってほら、こうやって両手を使って相手の手や縄か
ら逃れようと必死でもがきますやろ。そん時の引っ搔き傷が被害者の首に残っている
んです。それを吉川線と言うんです。自殺んときはそんなん残りませんからね。こ
れ、大正時代やったかな。吉川澄一という警視庁の鑑識係のおっちゃんが、この引っ
掻き傷は他殺の証拠になるということを発表しはって、それで名前がついたそうです
よ。
■告発状の検察の処理について
通常、検察宛ての告発状が届いた場合、それが何者によって書かれたかを追求するより内容を重視する。信憑性を吟味したうえで、扱うに値すると判断されると、トッ
プの承認を得て捜査を始める。
■証拠品
通常、事件に関わりがあるとして押収した証拠品や、関係者から任意提出を受けた
証拠品等は、裁判によって没収された場合や関係者に還付されたものを除いて一定期
間、当該検察庁の倉庫に保管される。証拠収集したものの裁判に使わなかった調書な
どの資料類は、不提出記録として、確定記録と一緒に保管されるのが決まりである。
■稟議書の任意提出を要請
医療機器の購入などの日常的な業務に関する決定は、稟議書を介して行われる場合が多い。その書面が各種業務の意思決定至る経緯を残す記録ともなる。万一、会計監査んどの調査が入った場合、稟議書が証拠の役割を果たすからだ。そのため大学病院などの公的機関では何かを購入するたべに必ず稟議書を作成し、保管しておく義務があった。
■捜査関係事項照会書
刑事訴訟法第197条第2項に基づく書類のことであり、強制力はないが、事実上、拒否されるケースはほとんどない。これさえあれば相手は文句を言えなくなるはずである。
■拘置所
初めて拘置所に入った者は、何ができて何をやってはいけないのか、どこまで要求が通るのか、たいがい見当がつかないものだ。個室といえども同じ建物には他の収容
者もいる。一回20分足らずの短い入浴時間に、全身が青黒い入れ墨に覆われた屈強な
体つきの収容者と出くわすこともある。拘置所内では、社長もヤクザも同等に扱われ
る。どんなに地位や金がある人間も、ここではただの人、身分はいっさい通用しな
い。現に拘置所にいる間は名前が不要となる。すべて収容者は番号で呼ばれるのであ
る。こうした、突然、軍隊に入れられてような恐怖や屈辱、規律の厳しさに直面する
ことや、いつまでこういう生活が続くのかわからない先行きの不安などが、初版者の
精神状態にかなりの打撃を与えるのは間違いない。
小説では、知っていた言葉や知らない言葉を小説内で紹介してくれるので勉強になっ
ております。